緑内障の診察で 「視野は進行していません」 「大きな変化はありません」 と説明を受けたことはあっても、結果用紙のどこを見ればよいのか分からない方は少なくありません。
ここでは、実際によく見るハンフリー視野検査の結果を例に、 患者さんが"最低限ここだけ分かれば安心"というポイントを解説します。
視野検査は「視力」とは別の検査
視力(1.0 や 0.8)が良くても、 周りの見え方(視野)が少しずつ狭くなることがあります。 この変化は自覚しにくいため、視野検査で客観的に記録します。
結果用紙には情報がたくさんありますが、全部理解する必要はありません。 まずは以下の2点だけ押さえてください。
① グレースケール(黒っぽいところ=見えにくい場所)
- 白〜薄い灰色: 比較的よく見えている
- 濃い灰色〜黒: 見えにくい可能性がある
マリオット盲点について
健康な方でも必ず黒く表示される場所(マリオット盲点)があります。これは視神経乳頭という、神経が集まっている部分に相当し、正常な構造です。
② MD(Mean Deviation)の見方
MDは全体の見えにくさを表す数値です。通常、0~-30の数字で表示されます。
マイナスの数字が大きいほど、全体として見えにくい範囲が広いことを表します。
実臨床ではこのMDの変化を見ることで進行の有無を判定することが多いです。
結果用紙を見ると「黒い所が増えた」「数字が下がった」と感じて不安になることがあります。
眼科医は1回の結果だけで治療を決めることはほとんどありません。以前と比べて進行しているか、精度が高い結果が得られているかなど、実際には眼科医は上記の2点以外にも様々なパラメータを見て総合的に判断しています。
視野検査の結果を見るうえで最も基本的な2つの項目について解説しましたが、この2つの項目だけで緑内障診療を行うことはありません。結果を見て自己判断することなく、不明な点があれば主治医にご相談することをお勧めします。
自己判断は避けましょう
ここで示した画像は典型的な例であり、自己判断や診断を目的とするものではありません。検査結果の解釈や治療方針は、必ず主治医とご相談ください。
医療免責事項
本サイトは、緑内障についての一般的な情報を分かりやすくお伝えすることを目的としたものです。
記載されている内容は、個々の患者さんの診断や治療方針を示すものではありません。 実際の診療においては、年齢、病型、進行速度、併存疾患などを踏まえ、主治医が総合的に判断します。
本サイトの内容をもとに治療の変更や自己判断を行わず、必ず主治医と相談のうえでご対応ください。
- Heijl A, et al. Effective perimetry: The field analyzer primer. Carl Zeiss Meditec. 2012, 1–255.
- Anderson DR, et al. Automated static perimetry. Mosby. 1999, 1–280.
- European Glaucoma Society, et al. Terminology and guidelines for glaucoma, 4th edition. Br J Ophthalmol. 2017, 101:1–169.
- American Academy of Ophthalmology. What is a visual field test?