「サプリメントで緑内障の進行を遅らせられる?」 「ブルーベリーや○○が良いと聞いたけれど…」
緑内障と診断されると、「少しでも進行を遅らせたい」と思い、サプリメントに関心を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、緑内障とサプリメントについて、現時点での科学的な知見を患者さんの立場で分かりやすく解説します。
サプリメントで緑内障は治療できる?
結論から言うと、現時点では「緑内障の治療に有効」と科学的に証明されたサプリメントはありません。
緑内障の治療で最も効果が証明されているのは、眼圧を下げる治療(点眼薬、レーザー、手術)です。
サプリメントは治療の代替にはなりません
サプリメントを使用していても、主治医の指示による点眼治療や定期検査は必ず継続してください。
よく話題になるサプリメント
ブルーベリー(アントシアニン)
「目に良い」というイメージがありますが、緑内障の進行を遅らせる効果は科学的に証明されていません。
一部の研究では、眼精疲労の改善に関する報告がありますが、緑内障の治療効果とは別の話です。
ビタミンB群(特にB12)
神経保護作用が期待されており、一部の研究で視神経の健康に良い可能性が示唆されていますが、緑内障の進行予防に有効かは不明です。
その他のサプリメント
- コエンザイムQ10: 抗酸化作用が注目されていますが、緑内障への効果は不明
- ルテイン・ゼアキサンチン: 加齢黄斑変性では研究が進んでいますが、緑内障への効果は不明
- オメガ3脂肪酸: 一般的な健康には良いが、緑内障特有の効果は証明されていない
サプリメントを使う際の注意点
① 過剰摂取に注意
サプリメントは「多く飲めば効く」わけではありません。 特定の成分を過剰に摂取すると、健康を害する可能性があります。
② 他の薬との相互作用
サプリメントが処方薬の効果を弱めたり、副作用を引き起こすことがあります。 使用する場合は、必ず主治医や薬剤師に相談してください。
③ 効果の誇大広告に注意
「緑内障が治る」「視野が回復する」といった宣伝文句には科学的根拠がありません。 冷静に判断しましょう。
消費者庁の注意喚起
根拠のない健康食品の広告については、消費者庁が注意喚起を行っています。不安な場合は、国民生活センターなどに相談することもできます。
サプリメントよりも大切なこと
緑内障の進行を遅らせるために、サプリメントよりも重要なのは以下の点です。
① 眼圧コントロール
点眼薬をしっかり続ける、定期的に眼圧を測定する。
② 定期的な視野検査
進行の有無を早期に発見するため、主治医の指示に従って検査を受ける。
③ 生活習慣の見直し
- 禁煙
- バランスの良い食事
- 適度な運動
- ストレス管理
これらは、全身の健康にも眼の健康にも良い影響を与えます。
まとめ:サプリメントとの付き合い方
- 現時点で緑内障に効果が証明されたサプリメントはない
- サプリメントは治療の代替にはならない
- 使用する場合は主治医に相談する
- 点眼治療と定期検査が最も重要
サプリメントを否定するわけではありませんが、「これを飲めば安心」と過信せず、正しい治療を続けることが何より大切です。
医療免責事項
本サイトは、緑内障についての一般的な情報を分かりやすくお伝えすることを目的としたものです。
記載されている内容は、個々の患者さんの診断や治療方針を示すものではありません。 実際の診療においては、年齢、病型、進行速度、併存疾患などを踏まえ、主治医が総合的に判断します。
本サイトの内容をもとに治療の変更や自己判断を行わず、必ず主治医と相談のうえでご対応ください。
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