「緑内障だけど、他の病気で薬を飲んでいる」 「市販薬を買うとき、何に気をつければいい?」
緑内障の診断を受けた方が他の病気の治療を受ける際、気をつけたい薬剤がいくつかあります。
この記事では、特に注意が必要な抗コリン薬とステロイドについて、患者さんの立場で分かりやすく解説します。
抗コリン薬について
抗コリン薬とは?
抗コリン薬は、さまざまな疾患に使われる薬剤の総称で、風邪薬、胃腸薬、抗アレルギー薬、泌尿器系の薬などに広く含まれています。
なぜ緑内障の方は注意が必要?
抗コリン薬は、瞳孔を開かせる作用があります。 これにより、眼の中の水(房水)の出口が狭くなり、眼圧が上昇するリスクがあります。
ただし、このリスクは閉塞隅角緑内障という種類の緑内障で特に高く、開放隅角緑内障の方では比較的リスクは低いとされています。
緑内障のタイプを確認しましょう
ご自身の緑内障のタイプが分からない場合は、主治医に確認してみてください。治療方針を理解する上でも重要な情報です。
抗コリン薬を含む薬の例
- 風邪薬(鼻水止め成分)
- 胃腸薬(胃痛・胃もたれ)
- 抗アレルギー薬(花粉症など)
- 頻尿・過活動膀胱の薬
- 一部の抗うつ薬
市販薬にも含まれていることが多いため、購入時には必ず薬剤師に「緑内障がある」と伝えましょう。
ステロイドについて
ステロイドとは?
ステロイド(副腎皮質ホルモン)は、炎症を抑える強力な効果があり、さまざまな病気の治療に使われます。
なぜ眼圧が上がる?
ステロイドは、眼の中の水(房水)の排出を妨げる作用があり、長期間使用すると眼圧が上昇することがあります。
特に点眼薬や眼軟膏として使われる場合、直接眼に作用するため注意が必要です。
ステロイドを含む薬の例
- 点眼薬(結膜炎、ぶどう膜炎など)
- 内服薬(喘息、リウマチ、アレルギーなど)
- 吸入薬(喘息など)
- 塗り薬(皮膚炎など)
ステロイド使用中は眼圧チェックを
他の診療科でステロイドを処方された場合、その旨を眼科の主治医に伝え、眼圧のチェック頻度について相談してください。
他の診療科を受診するときの注意点
緑内障の方が他の診療科を受診する際は、以下のポイントを伝えましょう。
- 緑内障の治療中であること
- 緑内障のタイプ(開放隅角か閉塞隅角か)
- 現在使用している点眼薬の名前
お薬手帳を活用すると、スムーズに情報共有ができます。
まとめ:正しい知識で安全に治療を
- 抗コリン薬は閉塞隅角緑内障で特に注意
- ステロイドは眼圧上昇のリスクあり
- 市販薬を買うときも「緑内障がある」と伝える
- 他の診療科でも緑内障であることを必ず伝える
薬の使用について不安がある場合は、自己判断せず、必ず主治医や薬剤師に相談してください。
医療免責事項
本サイトは、緑内障についての一般的な情報を分かりやすくお伝えすることを目的としたものです。
記載されている内容は、個々の患者さんの診断や治療方針を示すものではありません。 実際の診療においては、年齢、病型、進行速度、併存疾患などを踏まえ、主治医が総合的に判断します。
本サイトの内容をもとに治療の変更や自己判断を行わず、必ず主治医と相談のうえでご対応ください。
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