緑内障の進行と生活習慣

「緑内障の唯一の治療法は眼圧を下げることです」

「眼圧を下げる方法は基本的には点眼薬で、レーザー、手術を必要に応じて行います」

といった説明を受けることが多いと思います。

実際、多くの患者さんは点眼治療を続けながら経過をみておられますが、 「点眼以外に自分でできることはないのだろうか」 「生活習慣で気をつけた方がよいことはあるのだろうか」 と感じる方も少なくありません。

今回は、緑内障の進行と関連が指摘されている生活習慣についてご紹介します。

研究途上の情報です

これからお話しする内容は、点眼・レーザー・手術といった治療に比べると、まだ研究途上であったり、結論がはっきりしていないものも多いことをご理解ください。あくまで「参考情報」としてお読みいただければと思います。

眼圧が一時的に上がるとされている行動

いくつかの研究から、

  • 水を短時間に大量に飲むと、一時的に眼圧が上昇する
  • 逆立ちなど、頭を下げる姿勢では眼圧が一時的に上がる

といったことが報告されています。

ただし、これらは一時的な変化であり、 日常生活で過度に心配する必要があるという意味ではありません。

緑内障と関連が指摘されている生活習慣・全身の状態

以下のような項目について、緑内障との関連が研究で検討されています。

睡眠時無呼吸症候群 緑内障との関連が報告されており、疑いがある場合には内科での評価が勧められることがあります。

糖尿病 緑内障のリスク因子のひとつと考えられています。

喫煙 緑内障との関連が示唆された研究もありますが、結論は一貫していません。

適度な有酸素運動 運動後に眼圧が一時的に低下することが報告されています。

睡眠の質や睡眠時間 睡眠に関する問題と緑内障との関連が示唆されています。

生活習慣について、どのように考えればよいか

ここまで読まれて、 「やはり規則正しい生活や適度な運動が大切なのだな」 と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

ただし、緑内障だからといって水分を控えすぎたり、 無理に生活を大きく変えたりする必要はありません。

点眼治療をきちんと続けることが最も大切であり、 生活習慣については「できる範囲で意識する」程度で十分なことがほとんどです。

もし、「自分の生活習慣は影響があるのだろうか」「何か気をつけた方がよいことがあるのだろうか」と感じられた場合には、まずは一度主治医にご相談することをお勧めします。

医療免責事項

本サイトは、緑内障についての一般的な情報を分かりやすくお伝えすることを目的としたものです。

記載されている内容は、個々の患者さんの診断や治療方針を示すものではありません。 実際の診療においては、年齢、病型、進行速度、併存疾患などを踏まえ、主治医が総合的に判断します。

本サイトの内容をもとに治療の変更や自己判断を行わず、必ず主治医と相談のうえでご対応ください

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